モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「…ひとまず、
沙羅を刺激する
行動は控えると
しましょう。」

ため息交じりに、
そうひとりごちた
朔夜は、突然、
はじかれたように
城を仰ぎ見た。


…今、何かが
割れる音と、
女の悲鳴が
聞こえなかったか。


大事な義妹の
声ではなかった。

「…姫乃…?」

やはり、侵入者が
いたのか。

聞こえた悲鳴を
義姉のものと認識して、
慌てて身を
ひるがえした朔夜は、
ぎょっとした。

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