モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「まぁ、そういうことに
しておきましょう。
…それで、彼はどういう
素性の男なのです?」

「えぇとぉ。その頃の
モントリヒト公爵様の
右腕でぇ。ちっちゃい頃に
あたしが見たのは、
女神さまみたいに
キレイな奥様と、
天使みたいな娘さんを
連れてあるいてた
ときなんだけど、
3人で歩いてる姿なんか、
それはもう、お貴族様が
欲しがりそうな高ーい
絵画から抜け出た
みたいにキレイでねぇ?」

「ほう。それは一度、
見てみたかったですねぇ。
…写真や姿絵なんかは
ないのですか?」

「あたしはもってないわぁ。
…あ、でもぉ?
もしかしたら、シプレが…
きゃあっ!?」

話の途中で、メリッサが
突然悲鳴を上げたのは、
大きな鐘の音が
鳴ったからだった。

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