モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「!公爵家の、
使用人!?」

「…元、だよ。
何に使うんだい?
そんなもの。」

「ノークス様が、
フラン様とか公爵家のこと、
知りたいっていうのぉ。
ねぇ、ノークス様ぁ?」

「ええ。ぜひ、
知っていることが
あれば、教えて
いただきたいのですが。」

「…。聞いてどう
するんだい。」

そう聞き返した
シプレの顔に、
僅かな警戒の色が
浮かんだのを、
朔夜は見逃さなかった。

「フラン…というより、
モントリヒト公爵に
ちょっとした用が
ありましてね。」

「モントリヒト公爵なら、
十数年前に病で
死んじまったよ。」

< 133 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop