モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「!公爵家の、
使用人!?」
「…元、だよ。
何に使うんだい?
そんなもの。」
「ノークス様が、
フラン様とか公爵家のこと、
知りたいっていうのぉ。
ねぇ、ノークス様ぁ?」
「ええ。ぜひ、
知っていることが
あれば、教えて
いただきたいのですが。」
「…。聞いてどう
するんだい。」
そう聞き返した
シプレの顔に、
僅かな警戒の色が
浮かんだのを、
朔夜は見逃さなかった。
「フラン…というより、
モントリヒト公爵に
ちょっとした用が
ありましてね。」
「モントリヒト公爵なら、
十数年前に病で
死んじまったよ。」