モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
この国では素養や
利益があれば、
身分を気にせず
婚姻を結ぶ貴族が
少なくないと
聞いたこともあるし、
ともすれば、
姫乃は公爵家の
若様の許嫁候補
だったのかも
しれない。
そう考えると、
姫乃の持つ
驚くほどの教養と
品の良さにも
納得がいく。
「…そのおん…。」
「旦那、アンタ
気をつけな。」
女の子について
尋ねようとした
朔夜の言葉を、
シプレが遮った。