モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「…そうですね。
あとは、公爵家には
公爵夫妻の実子である
後継ぎが一人いて、
彼はよく、使用人の
少女をつれて街に
来ていたそうです。
…僕はその少女が、
姫乃ではないかと
思うのですが。」

「…ふぅん?」

「もしも姫乃が
公爵家の後継ぎである
若君付きの使用人
だったなら、
あの驚くほどの
知識と教養を身に
つけている理由も、
モントリヒト城の
権利書を持って
いるのも、納得が
いきませんか?」

確かに、公爵家の
若君にあてがうなら、
公爵の右腕だった
フランの娘は
この上ない適任だろう。

朔夜の推測どおりなら、
姫乃に関する
いくつかの疑問が解ける。

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