モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「ノークス様が買った
あとって、かならず
ここに咬まれたような
ふたつの傷がつくの。
でも、夜になると
アザみたいに
なっちゃって、
夜中になる前には
きえちゃうのよ。
…ちょっと、
不思議じゃなぁい?」
「…。シプレさん…。
これは…。じゃあ、
そのノークス様という
伯爵は…。」
「アンタもそう思うなら、
間違いはないだろうね。」
「…でも…いったい
何をしに、この街に…?」
「えー?ねぇ、どういうこと?
あたし、ぜんぜん
わからないんだけど、
教えてくれないのぉ?」
不思議がるメリッサに
話してもいいものかと
ローラが視線を送れば、
シプレはうなづいた。