モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「…たぶんそれは、
吸血鬼の食事…
彼らの言葉で
紅喰(エッセン)と
いうんですけど、
その時の咬み痕だと
思うんです。」

「…。…キューケツキ…?」

「はい。…この国では
珍しいですけど、
隣国チェーニには
けっこういるんです…。」

「え、じゃあ、
ノークス様って…え…?
…ええと…あ…でも、
ちゃんとしたところの
貴族様…よねぇ?シプレ?
モルゲンロート家は、
チェーニ国の伯爵家だって、
そう教えてくれたの
シプレでしょお?」

「ああ。そう記憶してるよ。」

「チェーニでは、貴族が
吸血鬼をかくまったり、
貴族の方ご自身が
吸血鬼であることも
よくあるんだそうです。」

「へぇー…。
…ええと…それであたし、
この話に対してどんな
反応すれば
いいのかしらー…?」



< 164 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop