モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「だったら、今の話は
ただのたわごとだとでも
思って、今までどおりに
金づるとして
接してりゃいいんだよ。
大した実害も
無いんだからね。
むしろ、あんな上客
逃したほうが
うちにとっちゃあ
よっぽど害になる。」

「か、金づるって、
シプレさん、
それはちょっと…。」

「そうよぉ。せめて
おこづかいいっぱい
くれるひとときの
恋人っていってよぉ。」

「それも、どうかと…。
ご本人の前では、
そういうこと、絶対
言わない方がいいと
思いますよ?」

「うふ。わかってるから、
心配しないでぇ?
じゃあ、あさっての
営業再開から、いつも
通りにするわぁ。」

「ああ、そうしな。
…間違っても
吸血鬼なんですか?
なんてバカなこと
口走るんじゃないよ、
バカ娘!」

「えー?あたし
そこまでおバカさんじゃ
ありませんー!
失礼しちゃうー!」

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