モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「アルカ。」
「はい?」
「何故、僕に
話したのです?」
アルカも街の住人だ。
皆が朔夜を
警戒しているのに、
彼は何故朔夜の事情は
何も聞かず、公爵家の
情報をくれたのか。
「…沙羅がそんなに
懐いてる人が、
悪い人だとは
思ってないので。」
そういうとにっこりと
笑って会釈をして、
アルカは足早に先を
行くシエルを追いかけた。
「…よくできた
友達をもっていますね。」
「二人とも、自慢の
おともだちなの。」
苦笑しながら言う朔夜に、
沙羅もにっこりと
笑ってそう答えた。