モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「助かります。
喪中のあいだでも、
せめて一回は
食事をとりたいと
思っていたので。」
朔夜に小瓶を渡して
自分も席に着くと、
東雲がお茶を
淹れてくれた。
続いて、天明と黎明が
先ほどアルカたちに
貰ったケーキとパイを
美味しそうに
盛り付けて
テーブルに置く。
「美味しそうね。」
「あのね、さっき、
アルカとシエルに
もらったの。」
「あぁ、そうなの?
じゃあ、アルカの
手作りかしら。」
「うん。たくさん
つくって、いちばん
よくできたものだって。
お墓参りで二人の
お父様とお母様に
自慢するために
持っていったのを
もらったの。」
「そうなの。」
沙羅の説明を
聞きながら、
姫乃は一口、
ミートパイを
口に入れた。