モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「そう、その鳥の群れ。
あの湖のそばの墓地って
静かだし一年を通して
景色もきれいなんだけど、
その時期だけは大騒音に
みまわれるのよ…。」
「墓の下に眠る
人たちにとっては、
酷い迷惑な話ですね。
…どうです、凍夜。
キミと僕で全部
仕留めてしまうと
いうのは。」
「いいね。二度と
あの騒がしい鳴き声を
聞かなくて済むように、
やるなら徹底的に
駆除しよう。」
「ちょっと、
このあたりの生態系
壊す算段はやめて
ちょうだい。
それにあの鳥は
害獣駆除とか、
いろいろ役に立つ
益鳥なんだから。」
「獣、ですか?
虫ではなく、
ケモノ…?」
「手なずける
方法があるの。
畑に一羽放置しておけば、
あのけたたましい
鳴き声を嫌がって
畑を荒らす動物が
近寄ってこなくなるのよ。」
「動物にさえ
嫌がられるんですか、
あの鳥は。」