モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「!お姉さまは
そんなこと思ったり
しない!!
お姉さまは…
お姉さまは…
わたしのこと、
いらない子だなんて
言わないもん…!」
「どうだろうね。
キミが言うとおりなら
キミと姫乃は半分しか
血がつながって
ないわけだし。」
「っっ…!!」
姫乃が沙羅を
大事にしてくれてるのは
紛れもない事実だ。
自分のことは二の次で
沙羅を育ててくれたし、
いつだって命がけで
守ってくれた。
いらない、なんて、
言うはずない。
なのに、こんな風に
言われただけで、
本当にそうだったら
どうしようと
酷く不安になる。
そんな姉の愛情を
疑ってしまう自分が、
すごく嫌だった。