モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

きょうだい喧嘩―凍夜


「僕の邪魔をするなんて、
どういうつもりだい?」

姫乃を泣かせた
張本人に文句を
言い足りない凍夜は、
鋭い視線で
朔夜を睨んだ。

「邪魔…?おやおや。
勘違いも甚だしいですね。」

「何だって…?」

「僕が止めなければ、
困ることになったのは
キミの方でしょうに。」

「どういう意味。」

「キミが沙羅を
いじめたと知ったら、
姫乃は間違いなく
怒りますよ。
いいんですか、
愛想を尽かされても。」

「…そんなことには
ならない…。」

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