モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「まぁ、キミと
姫乃の方は何とか
してみますから、
とりあえず沙羅に
矛先を向けるのは
やめてください。
事態が悪化する
だけですからね。」
そんな言葉で
凍夜の苛立ちが
収まるわけがない。
しかし、朔夜が
泣いて逃げる沙羅の
後をすぐには
追いかけずにここに
残ったことで、
新しい情報があるのだと
気付いた凍夜は、
苛立ちはそのままに
黙って朔夜の
言葉を待った。
「ところで、昨日は
話す時間が
とれませんでしたが、
少し、耳に入れて
おきたいことが
あるのです。」
凍夜が情報を得るために
黙り込んでいると
判断した朔夜が、
話しを始めた。