モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「シプレには公爵の
従者をしていた弟が
いるそうです。
残念ながら、今は
所用で街を離れて
いますので、数日
経ってから探りを
入れに行きます。」

「…僕も行く。」

「そう言うだろうと
思いました。
一応、見張りように
従僕をおいてますから、
その男が戻り次第
いきましょう。
それから、公爵家の
件ですが、どうやら
公爵夫人には第二子が
いるらしいのです。」

「…夫人に?」

「ええ。夫人に。」

朔夜の強調する言葉は、
第二子の父親が
公爵ではないかも
しれないといって
いるも同然だ。

「…フラン…。」

「ではないと思いますね。
姫乃の父親のフランと
モントリヒト公爵が
亡くなったのは
ほぼ同時期との
ことですから。」

真っ先に浮かんだ
人物の名を告げたが、
朔夜が即座に否定した。

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