モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「あの、朔夜様…わたし、ちゃんと
、いい子にしてるから…お部屋の
すみっこの椅子でいいから…。
朔夜様と一緒なら、また目が覚めても
すぐに眠れると思うの…。…ダメ…?」
遠慮がちにねだる沙羅に、
どうにか笑みをつくった。
一体、何年生きてきて、子供相手に
何を考えている。
「…仕方ありませんね。」
どうということはない。
間違いなど、絶対に起きるわけがない。
いや、絶対に起こさない。
わずかに揺らぎかけた決意を
新ためて、朔夜は沙羅を抱えなおした。