モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「…それで、キミは僕が浮気してると疑った…?」
「!」
心の中を見透かされて、姫乃は黙ったまま固まった。
そんな姫乃を半ば抱え込むような形で凍夜は部屋の中に促す。
「…。…あの…。…おかえりなさい…。」
凍夜の質問には答えられず、それでもなにか言わないとと、何とかそうつぶやく。
「…。」
姫乃の反応に、凍夜は少し驚いた顔をしてから、じっと姫乃を見つめた。
「…。…浮気を疑われてたってことはよくわかったよ。」
「!ち、ちがうの、あの、あなたを信用してないとかそんなんじゃなくて!
朔夜に言われるまで思いつきもしなかったし!!…ただ…その…。…わたしが…。」
「キミが?」
「…ずっと酷い態度だったから、愛想をつかされたかもしれないって、思って…。」
「…キミのおかげで、僕は自分が思ってるよりは心が広いってことがわかったよ。」
「…え?どういうこと…?」
「キミにああいう態度をとられても、キミに対しては腹が立たない。」
「…凍夜…。」
「かわりに、沙羅や朔夜で憂さを晴らすけど。」
「全然、心広くないじゃないのっ!」
「僕の心はキミ限定で広いんだよ。可愛くない態度を取られても、やっぱり可愛くて仕方ないくらいね。」
そう言って、凍夜は姫乃を抱き寄せて顔を覗き込んだ。
間近で見つめられるのが恥ずかしくなって顔をそむけようとすれば、そういうのも可愛いんだと言われ、つい、てれ隠しに挑むような視線を向けてしまう。
そうなるのを見越していたかのように、凍夜の唇は姫乃の唇をついばんだ。
「!」
心の中を見透かされて、姫乃は黙ったまま固まった。
そんな姫乃を半ば抱え込むような形で凍夜は部屋の中に促す。
「…。…あの…。…おかえりなさい…。」
凍夜の質問には答えられず、それでもなにか言わないとと、何とかそうつぶやく。
「…。」
姫乃の反応に、凍夜は少し驚いた顔をしてから、じっと姫乃を見つめた。
「…。…浮気を疑われてたってことはよくわかったよ。」
「!ち、ちがうの、あの、あなたを信用してないとかそんなんじゃなくて!
朔夜に言われるまで思いつきもしなかったし!!…ただ…その…。…わたしが…。」
「キミが?」
「…ずっと酷い態度だったから、愛想をつかされたかもしれないって、思って…。」
「…キミのおかげで、僕は自分が思ってるよりは心が広いってことがわかったよ。」
「…え?どういうこと…?」
「キミにああいう態度をとられても、キミに対しては腹が立たない。」
「…凍夜…。」
「かわりに、沙羅や朔夜で憂さを晴らすけど。」
「全然、心広くないじゃないのっ!」
「僕の心はキミ限定で広いんだよ。可愛くない態度を取られても、やっぱり可愛くて仕方ないくらいね。」
そう言って、凍夜は姫乃を抱き寄せて顔を覗き込んだ。
間近で見つめられるのが恥ずかしくなって顔をそむけようとすれば、そういうのも可愛いんだと言われ、つい、てれ隠しに挑むような視線を向けてしまう。
そうなるのを見越していたかのように、凍夜の唇は姫乃の唇をついばんだ。