モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「とにかく、ダメもとで
いってみるわ。残った分は、ふ
たつにわけておいてくれるかしら。
片方は後で朔夜と沙羅と
一緒に、おやつに頂くから。」
「はい、奥様。もう片方は
どうされますか?」
「もう片方は、後で贈り物用に
ラッピングするからわたしの
部屋に置いておいてくれる?」
「かしこまりました。」
「じゃあ、ちょっと凍夜と
戦ってくるわね。」
ほとんど意地になっている姫乃は、
そう言い残して厨房を出ると、
凍夜の部屋に向かった。
ノックをして、部屋に入れば、
室内には凍夜の従僕である
東雲の姿しかない。