モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「全くって…、一体、
何の話をしてるの?朔夜。」

「朔夜様、準備なら、
わたし、ちゃんと…。」

「誕生日は、沙羅が
この世に生を受けたことを
祝う日でしょう!
それなのに、姉のあなたが
祝いもしないなんて、
酷いじゃありませんか!」

「え?誕生日って、
産んでくれた人と
育ててくれた人に
感謝する日でしょう?」

「だから…はい?」

不思議そうにたずねる
沙羅の言葉に、朔夜は
勢いをそがれ姫乃から
視線を外した。

「なにを言ってるんです?
誕生日は…。」

「…あっ!!」

沙羅に目線をあわせて、
もう一度誕生日について
説明をしようとする
朔夜の言葉を、今度は
姫乃の声が遮った。

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