モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「本当は夕食の時に渡そうと
思っていたんだけど、
せっかくだから
今渡してしまうわね。」
姫乃は包みをそれぞれ
凍夜、朔夜、沙羅に
手渡す。
「いつも、ありがとう、
みんな。」
「わたしも、ありがとう。
お姉さまがいてくれて、
とてもうれしい。」
突然の姫乃の礼を
述べる言葉と、
それに対して応える沙羅に、
朔夜は疑問を抱く。
「…一体、これは…。」
一緒に不思議そうに
二人の様子を見ていた
凍夜がハッとしてたずねた。
「…姫乃。
キミ、誕生日、いつなの。」
その問いかけに、朔夜も、
ようやく、贈り物と
礼の意味に気付く。