モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「今日よ。だから、三人に、
誕生日の感謝のプレゼント。」

にこやかに言ってのけた
姫乃に、朔夜は
脱力感を覚えた。

沙羅に続いて、姫乃まで。

身近な女性の誕生日を
逃すなんて。

「…妹と、一日違いなんだね…。」

そうつぶやく凍夜も、
溺愛してやまない妻の
誕生日を祝えなかったことが
不満だったのか、
ずいぶんムッとした
様子で渡された
包みを見ている。

「ごめんなさい、二人とも。
もっと早く気付けば
よかったわ。
お母様の誕生日には、
お父様が贈り物をしてたから、
チェーニがそう言う
風習だってことは
知ってたんだけど…
そうだわ。
二人の誕生日はいつ?
チェーニの風習に
合わせてお祝い
しましょう。ね?」

そんな二人の様子に、
姫乃が気を使って言う。
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