モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「…キミ、何か、
欲しいものはないの。」

「え…?」

腕を引かれてベットに
腰かける。

姫乃の髪を指先で
弄びながら、
凍夜は問いかけた。

「誕生日の贈り物。
何か、ないの。」

「ええ…と…。」

それで、とりあえず機嫌を
直してくれるのかしら、と
姫乃はちょっと考えてみる。

何かないだろうかと
考えてみるが、
日常品は朔夜たちが
細かにそろえてくれているし。


なかなか答えの出てこない
姫乃に凍夜が告げる。

「じゃあ、してほしい
ことでもいいよ。」

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