モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「せっかくだから、
髪の他にもやってあげるよ。
着替えとか、入浴とか。」

「髪だけでいいのっ!」

「どうして。」

「あなた、絶対、いろいろ
いかがわしいことをするに
決まってるからよ!」

「いかがわしいこと?
たとえば?」

「そっ…それは、その…。」

凍夜がとるだろう行動を
思い浮かべて、姫乃は
真っ赤になって口ごもる。

「キミの身体を隅々まで
撫でまわしたり、
抵抗できなくなるまで
耳を責めて悶えさせたり、
涙を浮かべるほど敏感な
ところをいたぶったり?」

「っっ!!」

想像してしまったことを
丸ごと口に出された姫乃は、
恥ずかしいことで
いっぱいになった頭の中を
読まれたようで
ますます赤くなった。

< 56 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop