【完】泣き顔スマイル
第九章* マルの泣き顔
幼い頃から泣いてばかりで
人見知りも激しくて
いつも俺の名前を呼ぶ
マルを見ては思っていた。
ああ守ってやらなきゃ、と。
使命感に駆られていた。
『修ちゃんが好きだよ』
驚きはしたけれど
薄々気づいてはいた。
例え表情に出なかったとしても
きっと気づいていたと思う。
自分のことはよく分からないくせにマルのことは分かってしまう。