【完】泣き顔スマイル
「モモは先輩の
どんなところがスキなの?」
「全部! でもほぼ顔!」
「正直でよろしい」
修ちゃんはとっても
綺麗な顔をしている。
無造作な黒髪。
薄い唇に白い肌。
アーモンド型の瞳に筋の通った鼻。
そしてその色っぽさを
引き立てる涙ボクロ。
笑うとできる涙袋が可愛くて。
反抗的な目をされたら
胸がキュンキュンしちゃう。
「はあー、修ちゃんって
なんであんなに美しいんだろうね…」
「知らんがな」
「きっと大学でもモテモテだろうなあ」
「高校のとき凄かったんだってね。
今でも先輩の名って
うちの学校では有名だし」
そういうのを聞くたび途端に
修ちゃんを遠く感じてしまう。
修ちゃんは、自分の恋愛のことなんて一切語らないけど、周りが騒ぎ立てるのですぐに分かってしまう。
分かりたくなくても
分かってしまうのだ。