【完】泣き顔スマイル
体の体位を変えたことではだけたTシャツの裾から覗く太腿。
何も知らないところで俺を誘惑して…
本気で襲える訳もないので、俺は溜息を吐いてから、ベッドから掛物を引っ張ってそれをマルの腰にかけた。
この行為を是非買ってほしい。
そうしてマルから離れようとした瞬間
「しゅー…ちゃ…ん」
「っ」
そのか細い寝言によってある感情が押し寄せ、そして歯止めが効かなくなった。
寝息を立てているその無防備な寝顔に自分の顔を近づける。
「……バカじゃねーの」
投げるように吐いた言葉と共に
────その白い頬にキスを落とした。
何も知らないマル。
俺だけが知ってる事実。