【完】泣き顔スマイル
第三章* 犬だったら良かったのに
私と美香さんの出会いは
私が小学校6年生のときだった。
「…」
いつものように修ちゃん家に
遊びにいくと彼の部屋には
とっても綺麗な女の人がいた。
「しゅーちゃんこの人だあれ」
ドアの前で立ち尽くす。
「家庭教師の青山せんせ」
私の突然の出没に慣れっこの修ちゃんは淡々と答え『マルも挨拶しな』なんて言う。
『わあ可愛い。水野くんの妹さん?』
「違うソイツ不法侵入者」
『えっ!?』
「ちゃんと葉子ちゃんに
挨拶してから来たもん!」
力一杯言い返すと
クスクスと笑われる。
笑い方も綺麗だと思った。