【完】泣き顔スマイル




・・・・



「おわ、ビクった。
何してんのこんなとこで」



PM 20:15


バイト先の裏口から出てきた修ちゃんは私を見つけると、驚いたように声をあげる。


「なんとなく一緒に帰りたくて」


美香さんと14時に別れたあと

適当に時間を潰し、2時間ほど修ちゃんが働いているcaféで待機していたのだ。


生憎修ちゃんはウェイトレスじゃなくて厨房なので、バイト姿を見ることは出来なかったけれど。



「裕子さんと喧嘩でもした?」

「してないよー」

「ふーん」



小首を傾げミリタリーコートのポケットに両手を忍ばせる修ちゃん。


そうしてチャリ、と鍵をポケットから出すと車に向かってピ、とボタンを押す。


「じゃ、帰るよ」

「うん」


助手席に乗るよう促され
私は素直に車に乗り込んだ。




< 23 / 143 >

この作品をシェア

pagetop