【完】泣き顔スマイル
・・・・
「おわ、ビクった。
何してんのこんなとこで」
PM 20:15
バイト先の裏口から出てきた修ちゃんは私を見つけると、驚いたように声をあげる。
「なんとなく一緒に帰りたくて」
美香さんと14時に別れたあと
適当に時間を潰し、2時間ほど修ちゃんが働いているcaféで待機していたのだ。
生憎修ちゃんはウェイトレスじゃなくて厨房なので、バイト姿を見ることは出来なかったけれど。
「裕子さんと喧嘩でもした?」
「してないよー」
「ふーん」
小首を傾げミリタリーコートのポケットに両手を忍ばせる修ちゃん。
そうしてチャリ、と鍵をポケットから出すと車に向かってピ、とボタンを押す。
「じゃ、帰るよ」
「うん」
助手席に乗るよう促され
私は素直に車に乗り込んだ。