【完】泣き顔スマイル
「…ふーん。じゃ行こっかな」
ホッ。
その言葉に心底安心する。
「で、食わせてやる代わりに買い物行ってこいって裕子さんが?」
「そっ。お母さんからお金と買う物リスト預かってきたから、すぐ行けるよ〜」
笑いながら財布を出せば面倒臭げな顔を見せる修ちゃん。でも付いてきてくれるって分かってるから笑う。
「外で待ってるねー」
下だけ履き替えると言うので、私は外で待機。数分待つと、修ちゃんが玄関から出てきた。
白のカットソーの上にカーディガンを羽織り、スウェットパンツという至ってラフな格好。
しゅーちゃんだからなのかな。
何着たって様になってしまう。
私はぴょんっと隣に移動する。
「あ、修ちゃん後ろ寝癖ついてる」
「どこ」
後頭部に手を当てるけど
ああもうそこじゃないよ。
しゃがむように手で促す。
「ん」
「…」
若干腰を曲げる修ちゃんの柔らかい髪の毛にソッと触れた。