【完】泣き顔スマイル
トクン、トクンと
鼓動が一定の音を奏でる。
「…お、っけー。なおったよ」
「ありがと」
ねえ修ちゃん。
この髪の毛触っていいのって、誰の特権なの? 誰でもいいの?
それとも、幼馴染の?
それとも、好きな人の…?
「修ちゃんカゴ持ってね」
「言うと思った」
「へへ」
隣を歩けていても、修ちゃんを一番遠く感じるし、そばにいるのに、そばにいきたいって強く思う。
大型スーパーの灯りが見えてきた。
駐車場には無数の車が停まっている。
「はい修ちゃん」
積み重なっているカゴを一つ取るとそれを修ちゃんに渡す。彼は不満な顔を見せながらも、それを受け取った。