【完】泣き顔スマイル




トクン、トクンと

鼓動が一定の音を奏でる。


「…お、っけー。なおったよ」

「ありがと」


ねえ修ちゃん。

この髪の毛触っていいのって、誰の特権なの? 誰でもいいの?


それとも、幼馴染の?

それとも、好きな人の…?



「修ちゃんカゴ持ってね」

「言うと思った」

「へへ」


隣を歩けていても、修ちゃんを一番遠く感じるし、そばにいるのに、そばにいきたいって強く思う。


大型スーパーの灯りが見えてきた。

駐車場には無数の車が停まっている。


「はい修ちゃん」


積み重なっているカゴを一つ取るとそれを修ちゃんに渡す。彼は不満な顔を見せながらも、それを受け取った。





< 32 / 143 >

この作品をシェア

pagetop