【完】泣き顔スマイル
友達は修ちゃんが
来たことによって
途中だった缶けりを再開させていた。
楽しそうなはしゃぎ声を
背に受けぐっと唇を噛み締める。
「また走っただろマル。
マルは走り方がヘンテコだから
歩けって昨日も言ったじゃん」
「だって!
歩いたらみんなに
置いてかれちゃう!」
不安いっぱいに言い返す。
修ちゃんの言葉を
聞かなかった訳じゃない。
初めはちゃんと歩いてたもん。
でもどんどんみんなとの
距離が広がっていって。
あたしを置いて「缶けりしよー」
なんて話し始めるから焦ったんだもん。