【完】泣き顔スマイル




修ちゃんはゆっくり

元来た道を歩いていく。


ドキドキドキ。


こんなときまでアレコレ考えてしまうのはやっぱり修ちゃんが好きだから。



「懐かしい…」


「なにが」


「昔よく修ちゃんに
おんぶしてもらってたよね」


「…あー。そういうこともあったね」



肌の匂いがもろに伝わる。

締め付けられる
鼓動は苦しいはずなのに


なんでだろう、嫌じゃないの。



「修ちゃんって細いくせに今でも私をおんぶ出来るなんて、スゴイね」

「言いながら失礼だと思わなかったのか」

「え、気にしてるの細いこと!?
なんでよメンズモデルになれるくらいスタイル良いんだからね!? コレ褒めてるんだよ!?」

「あーあーおぶんじゃなかった。
マル昔に比べたらスゴイ重くなってるし」

「う」

「ウソ。裕子さんの料理で育っておいてこの軽さって何なの。食べ盛りなんだからちゃんと食え」

「……うるさいやい」



あーもう。

修ちゃん反則だよ。


今私の方に振り向いたら、修ちゃんが好きなこと一発でバレちゃう。絶対そんな顔してる。




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