【完】泣き顔スマイル
「あと、昔泣くたんびに
修ちゃん呼んでたよね」
修ちゃんの背中に顔を押し付けながら私は誤魔化すように話を続ける。
「それは覚えてる」
「嫌じゃなかったの?」
頬に修ちゃんの髪が触れる。
いい匂い。
修ちゃんの香りも好きだ。
夕方の木枯らしも
夜になった今は止んでいる。
「めんどくさい、とは思ったけど
不思議と嫌ではなかった。なんでだろ」
その言葉に胸は更に熱くなる。
「そっか、そっかそっか」
「マル足バタつかせんな」
「うんっ」
「あと極力黙ってて。
耳元でベラベラ
話されるの不愉快だから」
う。
修ちゃんってホント
こういうこと躊躇いなしに言うよね…。
でも、その分
行動は温かいんだよなあ。