【完】泣き顔スマイル
だから私はそんな自慢の修ちゃんを失った先なんて闇以外ないって思ってる。
「そうかなあ。あたしは、すごいことだと思うっ。だって顔見ただけで分かるもん。修ちゃん顔の表情乏しいのにだよ!?」
「マルは俺を何だと思ってんの」
「しゅーちゃんはもっとあたしの有り難みを噛み締めて言葉にすべきだっ!」
「置いてこー」
しゃがみだした修ちゃんに慌てて「ごめんなさい調子乗りました」と平謝りをする。
その平謝りが効いたのか再び持ち上がったカラダ。家はもうすぐそこだ。
「どうせアレでしょ。
『ご褒美ちょーだい』
って言いたいんでしょ」
「え、くれるの?!」
「やだよマル
要らないものばっか欲しがるから」
「まってまって!
どうしても修ちゃんに
聞いて欲しいお願いがあるのっ」
バシバシ、と修ちゃんの
羽織りもののカーディガンを叩く。
ついでに足をジタバタさせると
「分かったから、言うだけ言ってみ」
嫌がりながらも耳を傾けてくれた。
「Xmas イブの日
修ちゃんと一緒に過ごしたいっ!」
修ちゃんの、足が止まった。