【完】泣き顔スマイル




そう言えばいいのに
それを言葉にできなくて。


代わりにまたじわじわと
涙が溢れてきた。


視界がぐにゃんと歪んで

修ちゃんの顔も滲んでよく見えない。



「…ヒック…ぅーっ…」



スカートをギュッと握りしめた。



どうして言葉より先に
涙が溢れちゃうんだろう。


言葉にしなきゃ分からないよって
いつもお母さんに言われてるのに。



こんなんじゃいつか修ちゃんにも置いてかれちゃう。修ちゃんも走ってどっかいっちゃう。


当時は本気でそう思っていた。

目の前のことしか見えてなかったんだ。



そしてあの当時の私が一番恐れていたのは置いてかれちゃうことだった。



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