【完】泣き顔スマイル
うー…さむい…。
予め持っていた鍵で家の中に入る。
チラッと隣の家を覗く。
当たり前だけど、車はなかった。
自分から電話したくないと言っておいて少しだけ帰っていることを期待していた。
なんなんだろうこの矛盾。
ずびび、と鼻を啜りながら
ソファーにぐたぁと寝そべる。
修ちゃんのこと色々
考えすぎて発熱しちゃったのかな。
だとしたら、どんだけあたしの身体は修ちゃんを中心に回っているんだ。
「ふふっ」
誰もいない部屋で一人笑う女子高生。
絵面を想像したらあまりの
不気味さに悪寒が走った。
じゃなくて…クスリ。
重たい身体を僅かに
残っている気力で起こす。
クスリ箱とか何処にあるんだろう。