【完】泣き顔スマイル
『モモちゃん?』
はっ。
黙ってばかりの私を
美香さんは疑問そうに覗く。
「えっと、喧嘩とかじゃないです!
お母さんに勉強の邪魔するなって怒られちゃって」
『そんな邪魔なんかじゃないのに』
「でも修ちゃんは真剣だし。
もし邪魔したら、わたし本当に嫌われそうだから! あははは」
なにがそんなに面白いのってくらいの空笑いをした。
笑ってないと悔しさとか惨めさに潰されちゃいそうで。
喉の奥が苦しかった。
これが恋をする痛みなら
糞食らえだとさえ思った。
「今後とも修ちゃんのこと
よろしくお願いします!」
最後にそれだけ言いお辞儀を一つ。
そうしてランドセルを鳴らしながら帰路を走って帰った。