【完】泣き顔スマイル






そんな事があってか益々美香さんと修ちゃんに会うのが億劫になっていた。


でも届けるだけだし。

渡す相手は修ちゃんじゃなくて葉子ママだもんね。


理屈を並べながら、修ちゃん家の敷地へ足を踏み入れた。


見慣れたワインレッドの車。

美香さんが来ている証拠だ。



『わ〜! それ裕子ちゃんが!? やーんもう嬉しいなあいつもありがとね!』


葉子ちゃんのハイテンションなまくし立てはいつ聞いても若々しい。


チラリ、と階段の先を見上げる。

あの奥に、二人っきりでいるんだ。


ーズキッー

痛む心臓は、最近よくあり過ぎて少し慣れてきてしまっている次第。



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