【完】泣き顔スマイル




「後で修ちゃんの部屋に持っていってあげてね。じゃ! 私はコレで!」

『え何言ってんのよ。モモちゃんが持ってけばいいじゃな〜い。ちょうど休憩に入る頃だろうし』


えっ。

驚いて固まる私を前にテキパキとアップルパイを切り分ける葉子ちゃん。


「いいよ私は! 邪魔しちゃ悪いもん!」

『あはっはは。なーにそれ、今更過ぎるじゃない。というか、モモちゃんが修に遠慮するなんて珍しいわね。なに、喧嘩でもしたの?』



…葉子ちゃんも、美香さんと同じ事言うんだなあ。


強引な葉子ちゃんの性格を充分に知っている私は、割とあっさりお盆に乗ったアップルパイを持って階段を上っていた。


落としたら怖い。

そんな不安からソーッと段差を踏んで。



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