【完】泣き顔スマイル
「でもそれにはガマンがひつよーなんだ。
ガマンっていうのは泣いたりしないことなんだけど、マルちゃんとガマンできる?」
「…ガマンする」
「うん。じゃあ今度
いっしょに特訓しよう」
そこで初めて笑顔を見せる修ちゃん。
修ちゃんは人より笑う数が少ないから
たまに見せる笑顔が無性に嬉しかった。
そのまま私の手を引っ張って
缶けりをしている友達の方に向かった。
「はるかー。
マルも缶けり入れてあげて」
「えー。
だってマルちゃん足遅いもーん」
「だいじょうぶ。
マルもすぐにみんなと
同じくらい速くなるから」
「もーうしょうがないなあ」
「よし、いけマル」
優しく背中を押してくれた修ちゃん。