【完】泣き顔スマイル
修ちゃんを思っての言葉なんか一個もなかったんだ。
全部私の為だった。
修ちゃんの恋がどんな形であれ叶ってしまうのが、本当に嫌だったの。
「途端に何言ったらいいか分かんなくなっちゃって、なんかもう号泣しながら『修ちゃんを取らないで下さい』ってお願いしたの」
アレには流石の美香さんも
目を丸くさせてたっけ。
「性格悪いよね」
「そんなことない! そんなの誰だってもってる感情だよモモ!」
「違うよ、乃愛ちゃん。
どうであれ正々堂々修ちゃんにぶつかっていくべきなのに、それが出来なくて、セコい真似使ったの」
どんなに思っていても
言ってはいけない言葉だった。