【完】泣き顔スマイル





ここのプラネタリウムは座席が階段状になっているので、映像が正面から迫ってくる臨場感が特徴らしい。


ザワザワ、とカップルの
やりとりで騒がしい場内。

真剣にパンフレットを
読み込む修ちゃん。


良かった、思った以上に
気に入ってくれてるみたい。


安堵した途端、睡魔と同時に欠伸が迫ってきて、『くぁ、』と欠伸を噛み殺す。


この睡魔が昨日の夜に来てくれたら良かったのにな。

なんてことを、ウトウトしながら薄っすら考えていた。



・・・




「…zZZ」

「終わったよマル」


ーベシッー


「ぶ、っえ、…あれ」

「よく眠れましたか」

「は、はい…」


おでこを摩りながら辺りをキョロキョロ。

周りのカップルが私を見てクスクス笑いながら出口へと歩いていく。

< 83 / 143 >

この作品をシェア

pagetop