Dear.My Heart
佳代は顔にかかった水を拭い、蛇口を捻って柚菜にやり返した。


「は?逆効果だし。馬鹿じゃん、」






少し冷めた会話に聞こえるが、2人にとってこれが普通だった。
急にしおらしくなられても気持ち悪い。
お互いにそう思っているからだ。




「うわっ!めっちゃ濡れた!!!」

柚菜の体操服はずぶ濡れだった。
髪の毛も顔も。


「ふははっ!!柚菜やらしー」

佳代はお腹を押さえながら笑った。




「お返しっ」



柚菜は笑ってる佳代に向かって、蛇口を向けた。
案の定、佳代は油断していた。
柚菜並みにずぶ濡れになった。




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