Dear.My Heart
先ほどの場所から少し歩き、倉庫の裏にと2人はいた。



「稔のこと返してよっ…」

先に口を開いたのは萌香。
彼女は柚菜の肩を激しく揺すった。




ボトッ――



その振動で手からロウソクが抜けた。







「は?意味わかんないし」

柚菜は彼女の手を振り払い、眉間にしわをよせた。






その大きな態度の裏には、抱えきれない程の不安が詰まっていただろう。
柚菜の呼吸は微小に震えていた。







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