Dear.My Heart
しばらくすると、遠くから足音が聞こえた。
柚菜は振り返り、そっと立ち上がった。



「はぁ、…柚菜、ごめんな…」



稔はそう言うと、柚菜に駆け寄った。
柚菜は溢れ出す不安を抑え、そっと抱きついた。





稔は腕を背中に回す。
そして2人は、ギュッと抱きしめ合った。





「俺が好きなのはお前だけだから!…不安にさせてごめんな、」



柚菜の頬に伝った涙を拭う、稔。
そんな彼を、柚菜は愛しく思った。





「ううん、いいの…」



触れ合う唇は、優しく柚菜の心を包み込んだ。




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