Dear.My Heart
「佳代、違うところ行かない?」



なるべく関わりたくない、というのが本音だった。

柚菜が後ずさりしながらその場を離れようとすると、佳代が怒ったような顔をした。
そして柚菜の腕を掴み、先輩達の方へ引っ張って行った。






授業に出ればよかった。と思いつつ、柚菜は渋々ついて行った。





「先輩っどうしたんですか!?」

佳代は目を輝かせながら聞いた。




「あ、うん…可愛い1年生がいるなって思って。…な、?」



杉田は少し戸惑いながら、中崎に相槌をした。
どうやら佳代の態度に吃驚したようだ。




「…うん、」



中崎は素っ気なく返事をすると、佳代達から遠ざかっている柚菜に目を向けた。



先輩と目が合い、柚菜はどうすればいいか分からなかった。

じっと見るのも変だし、そらすのも失礼だと思ったので、「こんにちわ…」と一言だけ挨拶した。


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