Dear.My Heart
「柚菜、…何か食べたら?治らないわよ」



部屋の入り口付近でお母さんが言う。
今日、柚菜は風邪で学校を休んだのだ。



波菜は高校があるので、こうやってお母さんが来てくれる。
3週間ぶりにあう2人だが、一緒に暮らしているような感覚だ。





「うーん。わかった…」


柚菜は上半身を起こし、プレートを受け取った。
お母さんがお粥を作ってくれた。
ゼリーと薬も添えてある。



普段こうしてあげることが出来ないため、お母さんは優しく看病してくれる。
だからあたしは、昔から風邪ひくのが嫌いじゃなかった。

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