Dear.My Heart
柚菜にとって不思議な感覚だった。
何とも思っていなかったのに、少し話しただけで先輩のことを意識し始めたのだ。




急に胸が切なくなり、柚菜は苦しくなった。
身体が苦しいのではなく、心が苦しい。



初めての感覚に戸惑いながらも、柚菜自身は気付いていた。
先輩に恋をしたということを…






窓から見える、体育の授業。
柚菜はずっと稔を目で追っていた。




「柚菜、何見てんの!?」


佳代が横から覗き込んできた。

そして得意げに笑うと、何も言わずに保健室へと入っていった。

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