Dear.My Heart
「久しぶり。」


柚菜は少し冷たく言って通り過ぎようとした。


そんな態度に呆れたのか、佳代は何も言ってこなかった。



そして、何か言ってくれるかと少し期待していた自分がいた。



友達も恋人も家族も失ったあたしには、もう何もない…
生きる意味を忘れた。生きる方法も忘れた。








大輝…
あたしを独りぼっちにしないでよ。






柚菜はペダルをこぐスピードを速めた。


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