Dear.My Heart
静まりかえった病室に柚菜の啜り声だけが響いている。
「柚菜、好きだよ…俺と付き合ってくれる?」
耳元で囁く優しい声を聞き、柚菜は顔を赤らめた。
いきなりの告白に戸惑いを隠せない柚菜をよそに、稔はそっとおでこにキスをした。
「…はい」
柚菜は腕を背中に回し、ギュッと抱きしめかえした。
あたしはすごく遠回りをした。
遠回りをした分だけ、得るものは大きかったんだ。
切なくて、愛しくて、苦しくて、嬉しくて…
これ以上の恋はないと思っていた。
その時はまだ、顔を出したばかりの芽に水を注がれただけだったから。
「柚菜、好きだよ…俺と付き合ってくれる?」
耳元で囁く優しい声を聞き、柚菜は顔を赤らめた。
いきなりの告白に戸惑いを隠せない柚菜をよそに、稔はそっとおでこにキスをした。
「…はい」
柚菜は腕を背中に回し、ギュッと抱きしめかえした。
あたしはすごく遠回りをした。
遠回りをした分だけ、得るものは大きかったんだ。
切なくて、愛しくて、苦しくて、嬉しくて…
これ以上の恋はないと思っていた。
その時はまだ、顔を出したばかりの芽に水を注がれただけだったから。